ハッピー・ファイヤー、Jazz & Blues Report CD評

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「ハッピー・ファイヤー」のサブタイトルは「ニュー・カインド・オブ・ジャズ」。確かにヒロ・ホンシュクのカルテットはジャズを基盤にしている。だが、フルート/EWI、バイオリン、エレクトリック・ギター、カホンと言うラインアップは、衝撃的なソニックパレットを醸し出し、そのサウンドで「オール・ザ・シングス・ユー・アー」、「いつか王子様が」、「サマータイム」などのジャズ・スタンダードを料理する。
しかしこのサウンドは全くギミックに聞こえない。それぞれの演奏者の上質なインプロのセンスが全曲を通して現れ、電気の使用がそれぞれの個性を濁すことはない。ホンシュクとバイオリンのリカ・イケダは早熟のペアと言う印象を生み出し、ギタリストのアンドレ・ヴァスコンセロス(彼は特にバンドのソニックパレットに貢献している)はエネルギー高く、曲の終わりなどにそれがよく現れている。全員楽しんでセッションし合っているのがよくわかる。
ドュエイン。ヴァー