***今週の一選*** ブラジル版マイルス ハシャ・フォーラ:ハシャ・ス・マイルス

Published Date: Thursday, January 14, 2016
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ジョージ・ハリス 2016年1月14日

ハシャ・フォーラとはヒロ・ホンシュク(fl/EWI)がリーダーのカルテットで、リカ・イケダ(vln)、マウリシオ・アンドラージ(g)、ハファエル・フッシ(b)のコアメンバーに加え、ベンユール・オリベイラ(perc)、デイブ・リーブマン(ss)をゲストに迎えるという構成で、マイルス・デイビスの曲をブラジル版ブレンダーに入れてピューレ状に加工した明確なマイルス・トリビュートを提示している。結果は大当たりの、サウンドとリズムのミックスで、『プリンス・オブ・ダークネス』の筆に新鮮な光を浴びせる。

『マイルストーンズ』でフルートとリーブマンのソプラノに支えられた躍動的なグルーヴを醸し出し、『チキンドン』ではバイオリンとフルートが踊る。豪快な『ソーラー』ではリーブマンがアンドラージのギターとティームアップし、『ウッド・ロー』ではトロピカルな鳥のさえずりが聞こえる。『サークル』ではトラディッショナルな民族的なサウンドがスムーズに流れ、『セブン・ステップス・トゥ・ヘブン』では魅惑的なボッサのフィールだ。それぞれの曲の編曲が素晴らしく、オリジナルがマイルスの曲だったと忘れるほどだ。エネルギー供給の1枚だ。