ハッピー・ファイヤー、JazzWeekly CD評

2018年4月12日

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リーダーであり、フルート、ピッコロ、EWI奏者であるヒロ・ホンシュクはこのアルバムに『ニュー・カインド・オブ・ジャズ(新世代ジャズ)』という副題をつけた。かなり自信に満ちた言い方だが、確かにバンドメンバーと共に新鮮なフィールを醸し出している。バイオリンのリカ・イケダ、ギターのアンドレ・ヴァスコンセロス、カホンのハービー・ウィルトとセバスチャン・チリボガ。一丸となってエキサイティングな新しいサウンドとカラーをジャズ・スタンダードに吹き込む。フルートとバイオリンの絡みは軽いタッチの『ナルディス』で効果を発揮し、ヴァスコンセロスのエクストラ・ダーク・チョコレートの感の強いギターは、『オール・ザ・シングス・ユー・アー』や『サマータイム』でぴったりの包み紙を形成する。『ブルース・イン・ザ・クローゼット』ではドラムとギターがミドル級のジャブの応酬でバップしたり、『ネゥウン・タウベス』ではギターの伴奏リズムが美しいメロディーと交差する。ヴァスコンセロスのギターが粋なベースラインを形成する元気一杯の曲『ハッピーファイヤー』や、ギターとカホンがタイトで聴衆の耳を引くグルーヴィーな『フォギー・デイ』などなど。まさに古い名画の上に塗られた新しい絵の具だ。